2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に関連し、地震防災への啓発の一環として、
すまい手(施主)が簡単に使える無料の耐震診断ソフト「マイホーム耐震診断2024」をご提供いたします。
この「マイホーム耐震診断2024」をご利用いただいて、より多くの方々が防災へ備え、安全を確保いただくことを願っています。
なお、今回の「マイホーム耐震診断2024」の提供は、2024年12月31日までを予定しています。

「マイホーム耐震診断2024」

種類

フリーソフト

バージョン

Ver.1.00

リリース日

2024/1/19

ファイルサイズ

8.9MB

対応OS

Windows 10/11
※タブレットモードは不可

本ソフトウェアについて

「マイホーム耐震診断2024」は、建築の専門知識を持たない一般の方でも、簡単な操作で自宅(マイホーム)の耐震診断を行い、地震による被害状況を予測・確認することができるよう、一般財団法人日本建築防災協会発行の2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」を参考に、独自の考えを取り入れシステム化したものです。
入力された建物の情報をもとに耐震診断を行い、その診断結果から想定される地震の被害状況を3次元CG表示します。

診断方法は、2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」で解説されている『一般診断法』を参考にしています。 『一般診断法』は、耐震補強の必要性の有無を判定することを目的とし、大地震動での倒壊の可能性について診断する方法です。

「マイホーム耐震診断2024」では、簡易に耐震診断を可能とするため、建物の設定・入力項目を以下のように固定値としたり省略することで簡易化を図っています。そのため、診断結果(評点)は全体的に安全側で厳しい値となります。

【主な簡易化・省略項目】

  ・壁の耐力  :耐力壁かどうかに関わらず、すべて「壁仕様不明」(基準耐力2.0kN/m)とします。
          通常、耐力壁として用いられる「筋かい(45mm×90mm)」の基準耐力は3.2kN/mです。

  ・開口部の耐力すべて「掃き出し開口」(基準耐力0.3kN/m)とします。
          耐力の大きい「窓型開口」(基準耐力0.6kN/m)であってもすべて「掃き出し開口」とします。

  ・柱接合金物 建築年によって接合金物の有無を判定します。
          建築年が「2000年以降」の場合は「柱接合金物あり」
          建築年が「1981年(5月31日)以前」「1981年~1999年」の場合は「柱接合金物なし」とします。

  ・入力省略項目:バルコニー、小屋裏収納、通し柱、筋かい接合部 等

例として、2000年以降に建築された住宅(現行の2000年耐震基準に適合)を、新築同様に劣化部位がないものとして診断した場合でも、診断結果(評点)は、およそ0.70程度(倒壊する可能性がある)という厳しい結果になる傾向にあります。
要因としては、「マイホーム耐震診断2024」は、すべての壁の耐力(耐震性能)を、「耐力は見込めるが壁の耐力が不明」として、耐力の小さい「2.0kN/m」を用いているからです。
2000年耐震基準を満たした建物においては、各壁(開口部含む)の耐力を個別に積算した耐力の総合計は、「耐力は見込めるが壁の耐力が不明」とした場合の、概ね1.5倍以上となります。
このため、実際の耐震補強工事の要否は、専門家に依頼し『精密診断法』による耐震診断を受け、その診断結果(評点)により検討してください。

これまで、1981年(昭和56年)以前の「旧耐震基準」で建築された住宅について、耐震性が不足するとして耐震診断・耐震改修が重点的に行われていました。
1981年6月の建築基準法の改正で「新耐震基準」として必要とされる耐力壁の量がより多く規定されました。その後の1995年兵庫県南部地震で木造住宅が甚大な被害を受けたことを契機に、2000年(平成12年)6月に建築基準法が改正され、木造住宅に関しては、耐力壁の配置、柱・筋かい接合部、基礎の規定が追加・強化され現在に至ります。(「2000年耐震基準」などと呼ばれています)
その後に発生した大地震(2004年新潟県中越地震、2011年東北地方太平洋沖地震、2016年熊本地震など)の被害調査により、2000年(平成12年)以前に「新耐震基準」で建築された住宅においても、「2000年耐震基準」で建築された住宅に比べて、比較的耐震性が低い傾向にあることがわかっています。

建築基準法の耐震基準の変遷

建築基準法の耐震基準
(本ページでの呼称)
建築基準法の改正日 改正の概要
(木造住宅に関する内容)
旧耐震基準(1981年以前)
新耐震基準(1981年) 1981年(昭和56年) 6月1日 旧耐震基準(1981年以前)に比べ、必要とされる耐力壁の量(必要壁量)が、最大38%増加。
2000年耐震基準(2000年)
(現行の基準)
2000年(平成12年) 6月1日 上記、新耐震基準(1981年)に次の項目が追加された。
1) 基礎の仕様規定の明確化(地耐力に応じた基礎形式の選定等)
2) 耐力壁配置規定(4分割法または偏心率0.3以下)
3) 継手・仕口の仕様の明確化(柱頭柱脚接合金物必須等)

参考:木造住宅耐震基準の変遷 | 学ぼう!ホームズ君

そのため、本ソフトで、2000年(平成12年)5月以前に建てられた住宅の耐震性能を把握していただき、防災への意識向上をはかることで、地震災害の防止に少しでも役立つことを期待します。

適用範囲・機能制限・注意事項

【適用範囲】

  • 木造軸組構法住宅(ツーバイフォー工法、伝統的構法では利用できません。)

  • 3階建て以下

  • ※ 2000年(平成12年)5月以前に建てられた住宅を想定しています。

【機能制限】

  • 印刷は行なえません。

【注意事項】

注意1)

想定される地震の被害状況の3次元CG表示は、上部構造の階ごと、方向(X方向・Y方向)ごとに求められる壁の強さの評価、壁の配置バランス(偏り)など、各々の建物についての診断情報を元にしています。
『一般診断法』による住宅の耐震性能を表現しているため、実際の地震による振動、倒壊状況を表現しているわけではありません。
『一般診断法』は、その診断方法の特徴として、比較的厳しい結果が出ますので、被害状況の3次元CG表示の結果も、過大に表現される場合があります。
このため、実際の倒壊の可能性、および、耐震補強の必要性の判断については、このシミュレーションのみで判断するのではなく、必ず、専門家による『精密診断法』による耐震診断を行ってください。

注意2)

本ソフトは、2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」の『一般診断法』をもとに“壁仕様(耐力壁・壁下地材)が不明の場合”の耐力値にて計算を行っています。
そのため、筋かいや耐力壁等が十分に配置された建物においては、実際よりも耐震性が低く算定される傾向があります。
また、本ソフトの診断結果は、あくまでも『一般診断法』の計算方法に基づく耐震性能の目安であり、上部構造評点が1.0以上であっても地震による被害を受けないことを保証するものではありません。
建物の重量や地盤の状態によっては、上部構造評点が1.0以上であっても地震による被害を受ける可能性があり、逆に、上部構造評点が1.0未満であっても、地震による被害を受けない可能性もあります。

注意3)

『一般診断法』は、詳細な検討を建物の全ての部位では行わず、代表的な部位で平均的な評価を行っているため、診断結果には不確定要素が含まれます。
この結果、この診断をもとに実施した耐震補強設計は、必要以上の補強を行うことになる可能性があります。
より合理的な耐震補強設計を実施するには、詳細な診断方法である『精密診断法』を用います。
『精密診断法』も、2012年改訂版「木造住宅の耐震診断と補強方法」で示されている診断方法のひとつです。
本ソフトには『精密診断法』による診断は含まれません。

注意4)

本ソフトは無料ソフトであるため、サポートは受けられません。
本ソフトは工事業者様等が、耐震診断、耐震改修工事等の商用目的での利用はできません。
いかなる場合においても、使用者が本ソフトを使用することにおいて発生した直接的、間接的な損害ならびに利益機会の損失を含む派生的な損害に対し、株式会社インテグラルは一切の責任を負いません。

注意5)

大規模震災の後は、便乗した悪質商法等のトラブルが発生する傾向にあります。
住宅修理等の勧誘をされてもその場ですぐに契約せず、複数の事業者から見積を取ったり、周囲に相談した上で慎重に契約しましょう。
独立行政法人国民生活センター発行 見守り新鮮情報 第472号(2024年1月16日)『震災に便乗した悪質商法に注意』

https://www.kokusen.go.jp/mimamori/pdf/shinsen472.pdf

「マイホーム耐震診断2024」のダウンロード

「マイホーム耐震診断2024」ご利用の流れ

専門家に自宅の耐震性を相談する

「マイホーム耐震診断2024」は、建築の専門知識を持たない一般の方でも、簡単な操作で自宅(マイホーム)の耐震診断を行い、地震による被害状況を予測・確認することができますが、実際の倒壊の可能性および耐震補強の必要性の判断については、専門家に『精密診断法』による耐震診断を依頼してください。
以下より、一般財団法人日本建築防災協会がwebサイトで公表している「耐震診断、耐震改修設計を実施する建築士事務所」ページにアクセスできます。都道府県ごとに事業者の名簿が用意されていますのでお近くの専門家を検索することが可能です。




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