保有水平耐力計算オプション
住宅性能診断士 ホームズ君「耐震診断Pro」の保有水平耐力計算オプションは、(一財)日本建築防災協会発行「木造住宅の耐震診断と補強方法」の「保有水平耐力計算による方法(精密診断法2)」に対応しています。
2つある計算方法のうち、剛床と柔床に対応した「層の荷重変形関係に基づき、保有水平耐力を求める方法」を採用しています。
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また、許容応力度計算の地震力に対する水平構面のせん断力の検定機能が備わっており「剛床」「柔床」の判定が同時に行えます。本オプションは、東京都市大学 工学部建築学科 大橋好光教授のご指導のもと、開発を行いました。
プログラム評価について
保有水平耐力計算オプションの機能は、住宅性能診断士 ホームズ君「耐震診断Pro」が既に取得している(一財)日本建築防災協会の『木造住宅耐震診断プログラム評価』の対象外です。
【プログラム評価の対象】
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一般診断法
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精密診断法1
【プログラム評価の対象外】
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精密診断法2【保有水平耐力計算オプション】
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精密診断法2【限界耐力計算オプション】
「層の荷重変形関係に基づき保有水平耐力を求める方法」を採用
剛床、柔床に対応
保有水平耐力計算の計算方法には、「剛床ルート」「柔床ルート」があります。
【 保有水平耐力計算オプション】では、許容応力度計算の地震力に対する水平構面の検定がすべてOKとなる場合に「剛床ルート」を選択します。検定NGがある場合は「柔床ルート」を選択します。
「剛床ルート」は、「木造住宅の耐震診断と補強方法」の「方法A 剛床とみなせる場合」に基づき、壁ごとの荷重変形関係を累加し、偏心率も考慮して、階・方向ごとの荷重変形関係や評点を算出します。
「柔床ルート」は、Ver4.1.1.6(2016/11/08リリース)以降では、「木造住宅の耐震診断と補強方法」の 「方法B-2 水平構面剛性を考慮して増分解析する場合」に基づき、増分解析により求めた重心位置での 荷重変形関係や評点を算出します。
※従来(Ver4.1.1.5以前)の柔床ルートは、「方法B-1 水平構面剛性を無視して計算する場合」に基づき、鉛直構面ごとに荷重変形関係や評点を算出していました。
柔床ルートで補強により評点を上げる際、従来(方法B-1)では全ての鉛直構面を補強する必要がありましたが、Ver4.1.1.6以降(方法B-2)では部分的な水平構面の補強等により比較的評点を上げやすくなりました。
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許容応力度計算の水平構面の検定&水平構面Q図
(公財)日本住宅・木材技術センター発行の『木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2008年版)』に基づき、 地震力に対する
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柱頭柱脚接合部の引抜力の検定
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水平構面の負担せん断力の検定
を行い、その結果をもとに剛床か柔床かを判断します。
水平構面Q図は、水平構面の負担せん断力の検定結果を
視覚的に確認でき、耐力の低い個所や強化すべき個所、
壁のバランス等が一目でわかります。
入力の都度リアルタイムに結果が更新されるので、
効率的な設計が可能です。
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柔床ルートの増分解析結果の終局変形図
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柔床ルートにおける増分解析の結果の各鉛直構面および水平構面の変形状況を図で確認できます。
「どの構面が先行破壊するのか」「どの構面を補強すればよいのか」が一目でわかるようになっています。
補強すればよいか、(補強方法のアドバイスもヘルプ画面で表示されます)
計算過程・根拠の見える化
各部の検討
保有水平耐力計算で建物の耐震性を評価するためには、前提として、地震力に対する許容応力度計算を行い、建物各部の安全性を確認することが必要となります。
【 保有水平耐力計算オプション】は、地震力に対する許容応力度計算の各検定項目のうち、「柱頭柱脚接合部の引抜力に対する検定」「水平構面の地震力に対する検定」などの、保有水平耐力計算に直接影響する部分の検定のみを行います。
以下の項目については別途、検定・検討を行い、安全性の確認を行ってください(※)。
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地盤と基礎の検定
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土台の曲げとアンカーボルトの引張およびせん断の検定
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横架材接合部の引抜力に対する検定
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屋根葺き材の落下
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その他(筋かいの座屈)に対する検定
※上記5項目は、住宅性能診断士 ホームズ君「構造EX」許容応力度計算オプションで検討することができます。
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